中学生向け
箱ひげ図を徹底解説!役割・見方を完全網羅
中学校で初めて箱ひげ図を習うと、「何を表しているのか」「どうやって書くのか」と戸惑う人も多いのではないでしょうか。
箱ひげ図は、データの散らばり具合を視覚的に表現する便利なグラフです。
今回は、箱ひげ図の役割や用途、見方、そして重要な四分位数の求め方まで、中学生向けにわかりやすく解説します。
箱ひげ図の役割と用途
箱ひげ図は、複数のデータの散らばり具合を比較したり、データ全体の特徴を把握したりするのに役立ちます。
具体的には、以下の情報が一目で分かります。
- データの中央値(第2四分位数): データの中央の値
- データの散らばり具合(四分位範囲): データの中央50%が含まれる範囲
- データの最大値と最小値: データの最大と最小の値
- 外れ値の有無: 他のデータから大きく外れた値
例えば、クラスのテスト結果を箱ひげ図で表すと、平均点だけでなく、点数のばらつき具合や、極端に高得点・低得点の生徒がいるかどうかが一目で分かります。
箱ひげ図から分かること
箱ひげ図は「箱」と「ひげ」で構成されています。それぞれの部分が表す意味は以下の通りです。
- 箱: 第1四分位数(Q1)から第3四分位数(Q3)までの範囲を表します。箱の長さが短いほど、データが中央に集中していることを意味し、長いほどデータが広範囲に散らばっていることを意味します。
- 箱の中の線: 中央値(第2四分位数、Q2)を表します。
- ひげ: 箱の両端から伸びる線で、最小値と最大値を表します。ただし、外れ値がある場合は、外れ値を除いた最大値・最小値までひげが伸びます。
- 外れ値: ひげから大きく離れた点として描かれます。
四分位数の求め方
箱ひげ図を作成する上で重要なのが四分位数です。四分位数とは、データを小さい順に並べたときに、データを4等分する値のことです。
- 第1四分位数(Q1): データを小さい順に並べたとき、下から25%の位置にある値。
- 第2四分位数(Q2): データを小さい順に並べたとき、中央(50%)の位置にある値。これは中央値と同じです。
- 第3四分位数(Q3): データを小さい順に並べたとき、上から25%の位置、つまり下から75%の位置にある値。
具体的な求め方を、データの個数が奇数と偶数の場合に分けて説明します。
データの個数が奇数の場合
例:データが{3, 5, 7, 9, 11}の場合
- データを小さい順に並べます。(この例では既に並んでいます。)
- 中央値(Q2)は7です。
- Q1は、中央値より小さいデータ{3, 5}の中央の値なので、(3+5)/2 = 4です。
- Q3は、中央値より大きいデータ{9, 11}の中央の値なので、(9+11)/2 = 10です。
データの個数が偶数の場合
例:データが{2, 4, 6, 8, 10, 12}の場合
- データを小さい順に並べます。(この例では既に並んでいます。)
- 中央値(Q2)は、中央の2つの値(6, 8)の平均なので、(6+8)/2 = 7です。
- Q1は、中央値より小さいデータ{2, 4, 6}の中央の値なので、4です。
- Q3は、中央値より大きいデータ{8, 10, 12}の中央の値なので、10です。
補足:四分位数の計算方法について
四分位数を求める方法はいくつか存在し、上記で説明した方法は最も基本的な方法の一つです。
教科書や参考書によっては、若干異なる方法が紹介されている場合もありますが、基本的な考え方は同じです。
箱ひげ図は、データの特徴を視覚的に捉えるための強力なツールです。
四分位数の求め方や箱ひげ図の書き方を理解すれば、データの分析がよりスムーズになります。
また、広島県の公立高校入試では毎年1問以上は必ず「データの分析」から出題されています。
この記事を参考に、箱ひげ図を使いこなせるように練習してみてください。