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1番はbestじゃない。日本語と英語のbestの違い

 

英語を学習していると必ず出会う単語「best」。

これは「good」と「well」という、意味が少し異なる2つの単語の最上級です。

そのため、「best」を日本語に訳すときも、文脈によって様々な意味を持ち、使い方も変わってきます。

今回は、「good」「well」、そして最上級「best」の日本語訳と使い方の違いを徹底的に解説します。

1. 「good」と「well」の違い:基本をおさらい

「best」を理解する前に、まずは元の単語である「good」と「well」の違いを確認しましょう。

  • good:形容詞「良い」

    • 状態や性質、品質などが優れていることを表します。
    • 例:a good book(良い本)、good weather(良い天気)、a good person(良い人)
  • well:副詞「上手く、良く」

    • 動作や行為の程度が優れていることを表します。
    • 例:sing well(上手く歌う)、work well(良く働く)、speak English well(英語を上手く話す)

つまり、「good」は名詞を修飾し、「well」は動詞を修飾する、という違いがあります。

2. 「best」の日本語訳:文脈で変わる様々な意味

「best」は「good」と「well」の最上級なので、「最も良い」「最も上手く」という意味が基本となりますが、文脈によって以下のように様々な日本語訳になります。

2-1. goodの最上級「best」

  • 最も良い、最高の: 品質、状態、性質などが最高であることを表します。
    • 例:This is the best movie of all.(これは全ての映画の中で最高の映画です。)
    • 例:She is the best student in her class.(彼女はクラスで一番優秀な生徒です。)
  • 一番好きな、お気に入りの: 好みや嗜好において最も優れていることを表します。
    • 例:Chocolate is my best.(私はチョコレートが一番好きです。)
    • 例:This is my best restaurant.(これは私のお気に入りのレストランです。)
  • 最適な、最善の: 状況や目的に最も適していることを表します。
    • 例:This is the best way to solve the problem.(これが問題を解決する最善の方法です。)
    • 例:Now is the best time to invest.(今が投資する絶好の機会です。)

2-2. wellの最上級「best」

  • 最も上手く、最高に: 行為や動作の程度が最高であることを表します。
    • 例:He sings the best in the choir.(彼は合唱団で一番上手く歌います。)
    • 例:She performs her duties the best.(彼女は職務を最高に遂行しています。)
  • (健康状態が)最高の: 体調が最高であることを表します。ただし、形容詞のwellの最上級bestは現代英語ではあまり使われず、代わりにgoodの最上級bestが用いられることが多いです。
    • 例:He is feeling his best today.(彼は今日は最高の体調です。)

3. 「best」の使い方:good由来とwell由来の違い

「best」を使う際、元の単語が「good」なのか「well」なのかを意識することで、より正確に使い分けることができます。

  • 名詞を修飾する場合:goodの最上級「best」

    • 例:the best book(最高の本)、my best friend(私の親友)、the best solution(最善の解決策)
  • 動詞を修飾する場合:wellの最上級「best」

    • 例:sing the best(一番上手く歌う)、try one's best(最善を尽くす)、do one's best(最善を尽くす)

ただし、口語では「good」の「best」が広く使われる傾向があり、動詞を修飾する場合でも「good」の「best」が使われることがあります。

例えば、「He plays soccer the best.」は文法的には「well」の「best」を使うのが適切ですが、「He plays soccer the best.」という表現も一般的です。

 

「best」は「good」と「well」の最上級であり、文脈によって様々な日本語訳を持ちます。

名詞を修飾する場合は「good」の「best」、動詞を修飾する場合は「well」の「best」を使うのが基本ですが、口語では「good」の「best」が広く使われることも覚えておきましょう。