中学生向け
2024広島県公立高校入試分析 英語編
みなさん、自己表現お疲れ様でした!
一旦ひと段落して、合格発表を待ちましょう!
引き続き広島県公立高校入試分析です。
今回は英語です。
大問1 リスニング(13点)
例年同様、大問1はリスニングです。
設問数は5問で、昨年同様です。
(2)では棒グラフが出てきました。
図表が出てきた場合、特徴にチェックを入れておくと解きやすくなります。
今回ですと、冊数の多い月と、少ない月にチェックを入れておくと良いですね。
毎年リスニングでは、読まれた内容に対する質問や意見を英作文で書く問題が出されます。
問題Cでは留学生のルーシーの質問に対して、どう答えますか?という問題でした。
ルーシーは3ヶ月前に日本に来てから、日本語の勉強をしています。読むことはできるようになってきていますが、聞きとりがまだ上手にできないようです。
それに対して、どうすれば聞き取りが上手くなるか?という質問です。
先日、多言語の習得には「音」が有効であるという記事を読みました。こちらより引用
東京大学などのチームは、複数の言語を習得する際に共通して活発に働く脳の領域を特定したと発表しました。
リスニング能力が高い人ほど、新しい言語の音声を聞いている際にこの領域が活発化し、文法の理解が早かったそうです。
やはり、言語を学ぶためには音が大事なんですね。
さて、今回の解答例ですが勉強するならば難しい日本語を聞くよりも、平易かつ楽しい方が良さそうですよね。
それならばアニメ、テレビ、ラジオなどがぴったりですね!
意見を述べる時に使えるフレーズは「I think that~」が一番言いやすいでしょう。
What should I do?と質問しているので、shouldを使って返答してあげましょう。
使われた動詞、助動詞で答えるのは英語の基本です!
(例)I think that you should watch Japanese anime.
「私は日本のアニメを見るべきだと思います。」
そして、アニメを見るべき理由も書いてあげましょう。
アニメを見れば楽しく学ぶことができるので
(例) You can enjoy Japanese anime and learn Japanese.
「あなたは日本のアニメを楽しみつつ、学ぶことができます。」
「〜できる」はcanを使いましょう。
もちろんアニメは英語を学習する際にも有効です。
ディズニー映画などは易しい英語が多く使われているのでおすすめです。
英作文のコツは大問4でもっと触れようと思います。
大問2 対話文(12点)
設問数、配点ともに昨年同様です。
大問2は例年対話文が出題されるのも変わりませんでした。
しかし、語数は増えていますね。
昨年の本文は約300語に対して、今年の本文は約400語(約1.3倍)になっていました。
これは共通テストでも見られた傾向です。
共通テストの傾向も高校入試に影響するんです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
グラフが出題されたら、リスニング同様特徴を見ておきましょう。
今回の内容は古着の寄付についてです。
(3)は適切な疑問文を選ぶ問題です。
疑問詞を含む疑問文は、はい・いいえで答えません。具体的な内容を尋ねる時に使います。
全ての選択肢が疑問詞を用いた疑問文なので疑問詞が何を尋ねるのか確認しておきましょう。
アのwhyは理由、イのhowはどのように/どのくらい、ウのwhatは何、エのwhoは人を尋ねます。
疑問詞は、意味よりも何を尋ねる時に使うのか知っておいた方が良いです。
howはhow long, how often, how about, how old, how many, how muchなど合わせて使うことも多いので合わせて知っておきましょう。
疑問詞は尋ねる内容が決まっているので、返答を見てどの疑問詞を選ぶか判断すると良いですね。
古着の寄付は一見良いことのように思えても、使う国の気候によっては迷惑になる恐れがあります。
一年中暑い国にパーカーやニットを送っても使えません。
日本でも元日に能登半島で大きな地震がありました。被災地に千羽鶴なんて送っても何の役に立ちません。
食べ物であっても海外食品の場合、成分表が読めないとアレルギー成分がわかりません。
本当に善意で寄付をするならば本当に必要なものを知って寄付したいですね。
長文では最近のテーマを扱うことが多いので、ニュースに触れておくのも大切です。
社会の勉強にもなりますからね。
大問3 長文(17点)
配点は昨年より1点多いです。
例年通りのスピーチ原稿、記事などの長文です。今回は「心に残る思い出」というテーマで書かれた英作文でした。
こちらも昨年より語数が増えています。
昨年の本文が約500語に対して、今年は約560語(約1.1倍)でした。
大問2、3を合計すると昨年に比べて約150語も増えているんですね。(約1.2倍)
さて、本文ですが今回は9段落に分けられています。段落ごとに短くていいので何が書かれていたか書いておきましょう。
第1段落では、ガンの群れがV字フォーメーションで飛ぶ理由を説明しているので、”ガンの群れの飛び方”などと書いておくわけです。
すると本文と設問を吟味するときにどこを読めば良いかわかりやすくなります。
最初は時間がかかると思いますが、これは要旨を掴む練習にもなるのでその結果読むスピードも速くなります。
今年も設問が丁寧でしたね。
(3)は正しいものを”2つ”選べと書いています。
2022年までは「全て選べ」と書かれていました。
この表現だけで正答率が変わります。初めから数が分かっていればその頭で吟味することができますからね。
(5)では本文の内容にふさわしいものを1つ選ぶ問題が出されていました。
こんな問題の時に、段落をまとめていると解きやすいんですね。
また1から読む人と、読むところがわかっている人では解くスピードも全然違います。
ちなみにV字フォーメーションだと、仲間を絶えず視界に入れることができ、衝突を防ぎ、エネルギーを節約できるそうです。
大問4 英作文(8点)
配点は1点少なくなっています。
例年通り大問4は英作文です。
今年大きく変化があったのはここです。
例年だと20語程度の英作文なのですが、今回は30語以上50語以内というほぼ2倍の量です!
やはり差がつくのは「英語を書く」問題です。
大問3までに「英語を書く問題」が少なかったので、今年はこの大問4で差がつくのではないでしょうか。
英検のリニューアルにより、どの級も英作文の出題が増加されます。
解答語数の目安は、3級が25〜35語、準2級が50〜60語となっています。
その傾向が入試でも見られたと考えられます。
より、英作文の対策が必要です。
英作文のコツは
・文章構成は結論→理由の順で書く
・理由はいくつか考えて描きやすいものを選ぶ
・よく使う表現を覚えておくなどがあります。
英作文で見られる点は
・内容
・語順
・文法や単語です。
内容と言っても結論と理由が正しく書けているかが見られるので、高度な内容は書かなくても良いでしょう。
語順はまず、英文として成立しているかです。主語と動詞がなければ文は成立しません。
文法や語順は、ピリオド、動詞の時制(過去形、3単現のs)、冠詞の書き忘れがよくあるミスです。もちろん単語のつづりミスも減点対象です。
関係代名詞や仮定法、比較級などの複雑な文はなるべく避けて平易な文が書けるように練習しましょう!
全体概略としては、単語数の増加と、大問4での語数増加によって英語が苦手な人には非常に苦しかった問題だったかもしれません。
長文読解が得意な人は昨年よりも記述問題が減っているので、大問2、3の問題の正答率が鍵となります。
英語が得意な人や、英検3級程度を持っている人はどの大問も問題なく解けたと思います。
今年は最後の英作文で差がつくと思われます。
英語は難化する前提で英作文対策、語彙力強化が必要です。
[新中2・3生へ]
ここまで読んでくれた中学生、特に英語が苦手な人は絶望しているかもしれません。
英語は言語ですので、できないということは決してありません。
日本語の方がよっぽど難しいです。トップ3に入る難しさです。
諦めず英語が少しでも得意になりたい人は
・日本語と英語の違いを知る
・英語の語順について学習する
・音読をすることから始めてください。
また、具体的なアドバイスを学校や塾の先生にもらって毎日コツコツ努力することを忘れないでください。
以上簡単ではありますが、2024年広島県公立高校入試 英語の分析を終わります。