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2023年広島県公立高校入試分析 国語編

先日の2023年度広島県公立高校入試分析 英語編はご覧になられたでしょうか?

まだ読んでいない人はこちらからどうぞ!

今回は国語です。

※2023年3月上旬に分析したものです。

問題は掲載しておりませんので最後にリンクを掲載しておきます!そこから確認してください!

 

大問1(20点)

例年通りの小説です。配点は前年の 16点から20点になってました。問題数は2問増加していました。

 

小説では、登場人物、場面、登場人物の関係性の3つを整理しておくと読みやすくなります。

リード文にたくさんの情報が書かれているのでよく読んでおきましょう。

作品のタイトルもヒントになることがあります。

今回の小説では、中学二年生のソラ、同級生のハセオ、ユミが登場し、3人は俳句に興味を持っていること、学校で行われた俳句大会で優勝したユミが、校長先生から豪華商品を受け取りに行くと書かれています。

今回の作者、高柳克弘さんは俳人だそうです。ですから、文中に出てくる俳句もレベルが高いですね!

 

少しだけあらすじを読んだのですが、登場人物のソラはいじめがきっかけで保健室登校になっていました。

言葉で傷つけられたソラが俳句を通じて友達ができ、励まし、成長していくんですね。

SNSでの誹謗中傷がここ数年ずっと話題になっています。

そんな問題に触れたかったのではないかなと思いました。

 

さて、問6(2)ユミが「知らないままでいい」と思った理由を俳句の特徴を踏まえて六〇字以内で書くという問題を見てみます。

ハセオの句「雪がふる そらのことばを 受け止める」には友人のソラと空を掛けており、そのことをお互いは知らず、ユミが知っていることも知らないけれど、「知らないままでいい」と言っています。

その理由を俳句の特徴を踏まえて書かないといけません。

俳句の大きな特徴は十七音という限られた文字数の中で表現することです。世界で最も短いと言われている詩です。

思いの全てを俳句の中で書ききることはできません。そこに俳句の魅力があると思います。

 

「限られた文字数で表現する」「十七音という少ない文字数で表現する」などと言った俳句の特徴に触れた内容が書かれていないといけません。

 

お〜いお茶やのラベルやプレバトなどの影響もあって、俳句という題材の小説文は読みやすかったのではないでしょうか。

 

大問2(18点)

例年通りの説明文です。配点は前年より4点増(18点)、問題数は3問増えていました。

2つの文章読んで解くというのは、例年と少し違いました。

 

文章1では

・自然環境を保全することは、地域社会にとって難しいことで、そのためには地域社会が保全を通して持続的に経済的な利益を得られる仕組みを構築する必要がある。

・自然環境を活用した観光には自然を直接消費せず、保全しつつ経済収益につなげられる数少ない産業だが、実際には無秩序な観光の促進によって自然環境が劣化する事例もある。

と述べられています。

 

文章2では、文章1の例としてネグロス島ダウインのサンゴ礁保護が挙げられています。

それは、海洋保護区を設置して生物多様性を守りつつ、海洋生物が増えることで漁業にも利益をもたらすという仕組みでした。

文章2の例のまとめは、そのまま問4に書けます。

 

問3では、文を事実と意見に分ける問題が出ました。

事実とは「3月7日の広島市新型コロナウイルス感染者数は177人です。」といった本当にあったこと誰でも確かめられるものです。

意見は「日本はWBCで優勝すると思う。」といったように個人的な考えを書いたものです。文末が「〜と思う」「〜と考える」「〜だ」という形が多いです。

 

調べ物をする上で事実と意見は区別できないといけません。

今では簡単にインターネットで調べられ、情報で溢れかえっています。

そういったメッセージが込められているかもしれません。

 

大問3(12点)

前年は古文と作文が別々の大問になっていましたが今年は一緒になっていました。古文は歌人、藤原定家の「毎月抄」から出題されました。

 

大意は、「歌の善悪を評価することは非常に大切だが、上手いと言われる人の歌が大したことないのに評価されることや、有名でない人の歌が抜群にうまいのに欠点を指摘することは良くない。内容を純粋に評価しましょう。」といったものです。

 

問3では上記のような例を日常生活から挙げて、それに対する考えを200字以内で書く問題でした。

文字数は、前年は250字だったのが200字に減っています。

 

さて具体例ですが、ネームバリューで判断することはよくあります。

よくわからないけど有名な人の作品だから良いのかな・・・みたいなことってありますよね。

ブランド品や就活でもそういう一面はあると思います。

 

今回の作文の条件は2段落構成、200字以内と書かれていますので必ず守ってください。

200字以内と言われたときは最低8割以上です。

作文では難しいことは書かなくていいので原稿用紙の使い方や、文末表現(常体か敬体か)、誤字・脱字などで減点されないように書きましょう。

 

出題形式は変わりましたが、難易度は昨年並みです。(昨年24.6)

現代のテーマに合わせた内容が出ている感じがしました。

国語では

・既習漢字の読み書きがしっかりできること

・要旨を掴みながら読み進めること

・作文のルールに則り練習をたくさんすること

・時間配分を意識すること

・古文・漢文の文法を理解すること

の5つが大切です。

 

特に作文の配点は毎年高いので、点数を伸ばすためには作文の練習をたくさんすることが大切です。

 

以上、2023年広島県公立高校入試 国語の分析でした。

2023年広島県公立高校入試 国語問題

 

2023年広島県公立高校入試 国語解答